2023-08-29
傾斜地やがけ沿いにある不動産は擁壁があるため、売却がむずかしい傾向にあります。
この記事では、そもそも擁壁とはなにか、売却がむずかしい理由や売却方法を解説します。
川越市、鶴ヶ島市、坂戸市で不動産の売却にお困りの方、買取依頼を検討中の方はぜひ参考にご覧ください。
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擁壁とは、傾斜地・高低差のある土地に建物を建てる際に、斜面に設置する壁状の構造物のことです。
擁壁は、建物の荷重や圧力、雨などで土砂崩れが起きないように、斜面の土を留める役割があります。
がけ条例などによって、建物の建築の際に擁壁の設置が義務付けられている土地もあります。
がけ条例の規定は自治体によって異なり、土地と隣接する道路の高低差が2mを超える場合に義務となることが多いです。
崖や斜面の土砂崩れを防ぐためにコンクリートや石などで固めるのが土留め工事であるのに対し、擁壁は土を留めるための壁状の構造物のことです。
土砂崩れを防ぐために設ける点では同じですが、土留め工事は「土を留めるためにおこなう工事」を意味し、擁壁は「土を留めるための壁状の構造物」を意味する点に違いがあります。
擁壁は、主に以下の3種類です。
現在、主流となっているコンクリート擁壁には、鉄筋を埋め込むタイプと埋め込まないタイプがあります。
形状は、逆T型やL型、逆L型などがあり、土地の条件や立地条件に合わせて使い分けています。
石積み擁壁とは、天然石や加工した軽石を用いた擁壁のことです。
軽石を用いた大谷石積み擁壁は1950年代~1960年代によく使用されていましたが、強度が弱いため、現在では使用されていません。
モルタルやコンクリートを使わずに石を積み上げていく空石積み擁壁も、安全性に注意が必要です。
ブロック積み擁壁は、住宅地に多く、間知ブロックやコンクリートブロックを積み上げて造る擁壁のことです。
間知ブロックを用いた擁壁は手頃な価格や加工のしやすさから人気がありますが、鉄筋コンクリートの擁壁と比べると耐久性が劣ります。
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なぜ擁壁のある不動産が売りにくいと言われるのか気になりますよね。
主な理由は、以下の3つです。
危険な状態にある擁壁は、不動産売却の際にマイナスな影響を及ぼします。
たとえば、擁壁に目に見えるひび割れや変形がある場合、地震や大雨の際に崩壊する恐れがあります。
また、自然石を積み上げた擁壁や異なる素材を組み合わせて積み上げた2段積み擁壁も安全性に不安があるため、売却しにくいです。
高さ2m以上の擁壁を建築する際は宅地造成許可申請または建築確認申請が必要となりますが、必要な許可を得ずに設置された擁壁がある場合も、現状のままでは売却がむずかしいです。
法令の基準を満たし、一見すると問題がない擁壁の場合でも気づきにくい欠陥が潜んでいることがあります。
たとえば、擁壁には水圧を逃がすための水抜き穴が開いていることが多いですが、経年劣化によって詰まりを起こし、集中豪雨の際に崩壊する恐れがあります。
そのため、売却前に擁壁の安全性を確認することが大切です。
危険な状態の擁壁は、補強工事や再施工が必要になることが多く、工事費用がかかります。
擁壁の工事費用は100万円~1,000万円以上と高額なため、購入検討者が購入を躊躇する要因となります。
売却価格から工事費用分を値引きしないと買主が見つからないこともあり、売却価格への影響も大きいです。
ただし、擁壁工事にかかる費用は、擁壁の種類や地質、施工のしやすさによっても異なります。
擁壁の安全性が確認できない場合、その土地にある建物を建て替えることができません。
とくに、2000年以前に設けられた擁壁は、建築確認申請の際に安全性が確認できる資料が求められなかったため、注意が必要です。
前述のように、必要に応じて擁壁の補強工事や再施工をおこなえば建物の建て替えも可能ですが、そもそも擁壁の工事ができないケースもあります。
たとえば、工事の機械が入れない場所にある土地や擁壁の影響範囲に第三者が所有する家がある場合は、擁壁工事ができません。
地質によりますが、安全性が確認できない擁壁であっても、一定の距離を保てば建物の荷重が擁壁にかからないため、建て替えできる可能性もあります。
しかし、擁壁の所有者には管理責任があるため、災害などで崩壊し、通行人に被害が及んだ場合は損害賠償を請求されるリスクがあります。
以上のことから、買主を見つけることがむずかしく、売却がしにくいのです。
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擁壁のある不動産は売却しにくい傾向にありますが、適切な対策を取れば早期に売却することも可能です。
擁壁のある不動産を売却するための主な方法は、以下の3つです。
不動産を売りに出す前に、まずは擁壁の安全性を確認しましょう。
事前に擁壁の安全性が確認できれば、売り出す際にアピールすることができるため、購入検討者も安心して購入に踏み出せます。
擁壁が作られたときに検査され、適切に許可されているかどうかは自治体の担当課で確認できます。
ひび割れのような目に見える問題がある場合や擁壁が古い場合は、建築士または土木工学の専門家を雇って擁壁を調査・検査するのが賢明です。
専門家による検査は、壁の状態だけでなく必要な修繕も確認できるため、安心です。
擁壁の安全性に不安がある場合は、売却前に擁壁を補修・補強するのも良いでしょう。
必要な補修や補強工事をすると、購入検討者に擁壁の安全性をアピールすることができ、取引が成立しやすくなります。
また、売却後に欠陥が見つかるなどのトラブルを防ぐこともできますね。
事前に補強工事をすると、購入希望者から大幅な値下げ交渉をされるリスクも回避できるでしょう。
ただし、売却代金以上の工事費用がかかる恐れもあるため、費用対効果を考慮してご検討ください。
不動産買取とは、不動産会社に不動産を直接売却する方法です。
不動産会社が不動産を直接買い取るため、買取査定後、提示された金額が納得できるものであれば、擁壁のある不動産でもすぐに売却できるメリットがあります。
ただし、不動産買取を利用した売却は、相場よりも売却価格が低くなる可能性があります。
とはいえ、不動産市場に売り出す場合であっても、補強工事の費用や買主から値下げ交渉をされる可能性がある点を考慮すると、すぐに売却できる不動産買取のメリットは大きいでしょう。
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擁壁とは、傾斜地・高低差のある土地に建物を建てる際に、斜面に設置する壁状の構造物のことです。
危険な状態にある擁壁は工事が必要となり、安全性が確認できなければ建物の建て替えができないため、売却しにくいです。
しかし、売却前に擁壁の安全性の確認や補強工事の実施、不動産買取を利用するなどの方法で売却できます。
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