特定空家とは?認定基準や特定空家に指定されるリスクを解説

特定空家とは?認定基準や特定空家に指定されるリスクを解説

この記事のハイライト
●特定空家とは、放置すると危険または周囲に迷惑をかけると自治体から認定された空き家のこと
●認定基準は、倒壊の危険性や不衛生さ、地域の景観や生活環境の保全上、不適切と判断される状態にあること
●特定空家に認定されると、固定資産税の増額や過料、強制解体されるリスクがある

2023年3月に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が提出され、固定資産税が増額される空家が増えると話題になりました。
現行法では、特定空家に認定されると税額が増えるため注意が必要です。
この記事では、特定空家とはなにか、認定基準や認定されるリスクを解説します。
川越市、鶴ヶ島市、坂戸市に空家を所有している方は、ぜひ参考にご覧ください。

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特定空家とは?通常の空き家との違い

特定空家とは?通常の空き家との違い

手入れをしないまま放置している空家は「特定空家」に認定される可能性があります。
特定空家と通常の空き家との違いは、以下のとおりです。

特定空家とは

「特定空家」とは、法律により放置すると危険または周囲に迷惑をかけると自治体から認定された空き家を指します。
近年、空き家が増加するなかで、管理が行き届いていない物件も増えており、老朽化による建物の倒壊や近隣住民への悪影響などが懸念されています。
そこで空き家問題に対処するために制定されたのが「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。
この法律は、倒壊などの危険がある空き家を減らし、所有者による適正な管理・活用を促進することを目的として、2015年5月に全面施行されました。
なお、空家等対策の推進に関する特別措置法が定める空家等の定義は「常に居住やそのほかの使用がされていない状態にある建築物またはこれに附属する工作物や敷地」です。
空き家の敷地内にある立木や土地に定着する物も空き家等に含みます。

通常の空き家との違いとは

では、特定空家は通常の空き家とどう違うのでしょうか?
法律上、通常の空き家と特定空家には空き家管理における責任内容について明確な違いがあります。
通常の空き家は、周辺環境に悪影響を与えないよう所有者に適切な管理に努めることが法律で定められています。
ただし、あくまで努力義務となり、とくに罰則はありません。
一方で、特定空家に認定されると、所有者に対し、修繕や建物の撤去、場合によっては樹木の伐採など、周辺環境の保全に必要な措置を講じることが法律で義務付けられます。
また、地方自治体は所有者に対して空き家管理に関する助言や指導をおこないます。
地方自治体からの助言や指導を無視すると、勧告・命令の発令や行政代執行がおこなわれ、場合によっては強制的に家屋が解体される可能性があるため注意が必要です。

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特定空家の認定基準とは?

特定空家の認定基準とは?

特定空家等に認定されないためには、認定基準を理解して対策することが大切です。
特定空家の認定基準は 、以下の4点です。

  • 倒壊の危険等、地域の保安上危険性のある状態
  • 公衆衛生、有害とみなされる状態
  • 放置により、周囲の景観を著しく損なっている状態
  • 周辺環境の保全上、放置することが適当でないと認められる状態

これらの認定基準をそれぞれ詳しく見てみましょう。

①倒壊の危険等、地域の保安上危険性のある状態

空き家の老朽化が進み、倒壊または損壊の危険がある場合、この認定基準に引っかかる可能性があります。
たとえば、建物の明らかな傾き、基礎の亀裂、柱や梁の腐朽または損傷は、この危険の兆候となります。
このような状態にある空き家は、通行人や近隣住民に危険をもたらすため、修繕や解体などの適切な対処が必要です。

②公衆衛生、有害とみなされる状態

空き家から悪臭が漂っていたり、害虫が蔓延していたりなど、衛生状態が劣悪な状態にある場合も、特定空家の認定基準に引っかかります。
例としては、浄化槽の破損による汚水漏れ、溜まったゴミによる悪臭などが挙げられます。
また、人体に有害な影響をもたらすアスベストを建材として使用している空き家の場合は、老朽化によって外壁からアスベストが飛散している可能性があるため、注意が必要です。

③放置により、周囲の景観を著しく損なっている状態

空き家の放置により、敷地内に雑草、ゴミなどが存在し、周囲の景観を著しく損なう場合も特定空家の認定基準に該当します。
具体的には、建物に落書きがされていたり、植木が建物を覆うほど生い茂っていたりなどが挙げられます。
このような状態にあると、近隣住民から苦情をうけるなどトラブルの元です。
そのため、空き家は定期的に管理することが大切です。

④周辺環境の保全上、放置することが適当でないと認められる状態

そのほか、周囲の生活環境を保全する観点から放置することが不適切であると判断される場合も特定空家の認定基準に該当します。
道路にまで植木が伸びて通行の邪魔になったり、害虫が大量に発生して近隣住民に迷惑をかけたりする状態がその一例です。
また、このような状態にある物件は不法侵入や放火の被害に遭う危険性も高く、地域の治安にまで悪影響を与えます。
したがって、特定空家に認定されないためには、これらの状況を深刻に受け止め、空き家を適切に管理することが不可欠です。

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特定空家に認定されることで生じるリスクとは?

特定空家に認定されることで生じるリスクとは?

所有する空き家が特定空家として認定された場合に生じるリスクは、以下のとおりです。

①固定資産税等が上がるリスク

特定空家に認定されると、まず始めに自治体が空き家の立ち入り調査をおこない、改善に必要な対処を所有者に助言・指導します。
状況改善を促す助言・指導に従わなかった場合は、勧告がなされ、住宅用地の特例が適用外となるリスクがあります。
住宅用地の特例とは、一定の要件を満たす宅地について、固定資産税や都市計画税が軽減される税制特例のことです。
特例が適用外となると、固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられなくなり、税額が最大で4.2倍まで上がります。

②50万円以下の過料を科されるリスク

行政から勧告を受けても対応しなかった場合は、より厳しい命令が与えられます。
そして、命令にも応じなかった場合は、最大で50万円の過料を科されるリスクがあるのです。
過料とは、行政上の義務に違反した者への罰則として、金銭を徴収することです。
過料を科されるリスクを回避するためにも、行政から勧告や命令を受けたらすぐに対応するようにしましょう。

③強制解体されるリスク

行政の命令も無視した場合は、行政代執行により家屋を強制解体されるリスクがあります。
行政代執行とは、行政上の義務に義務者が応じない場合に、行政が代理で執行することを指します。
特定空家における行政代執行は、たとえば建物の修繕や解体、植木の伐採などです。
行政代執行でかかった費用は後から所有者に請求されるため、注意が必要です。
とくに強制解体された場合、高額な解体費用を請求される可能性があります。
さらに、行政代執行にかかった費用の支払いを怠ると、土地や財産を差し押さえされるリスクもあります。
したがって、空き家の維持管理が困難な状況にある場合は、特定空家に認定される前に早めに売却するのがおすすめです。

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まとめ

特定空家とは、放置すると危険または周囲に迷惑をかけると自治体から認定された空き家のことです。
認定基準は、倒壊の危険性や不衛生さ、地域の景観や生活環境の保全の観点から不適切と判断される状態が挙げられます。
特定空家に認定されると固定資産税の増額や過料、強制解体のリスクがあるため、早めに売却をご検討ください。
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